今回は齋藤孝さんが書かれた「思考中毒になる!」という本の紹介です。
この本を一言でいえば、考え続けることで頭がよくなり、充実した人生を送れることを説いた本。
- どうすればお客さんが喜んでくれるか
- どうすれば画期的な商品を生み出せるか
- どうすれば効率がもっとアップするのか
このような課題に前向きにアイデアを出し続けていくこと。
そして、続けていくというのが本書のポイントです。
すなわち、思考中毒になるということです。
思考中毒と聞けば、よからぬ妄想に取りつかれて苦しむイメージを持たれるかもしれませんが、実際は正反対です。
思考中毒になることはむしろ快感で、考え続けることによって人間の知性を司る脳の前頭前野を活性化させアウトプットの質を高め、更には心身を健全にする点にもあります。
一度、思考中毒になると人は日常を面白がりながら生きることができるようになります。
あらゆる商品やサービス、あるいは文化から芸術に至るまでを多角的に捉える習慣がつき、思考に反応するセンサーが研ぎ澄まされるようになります。
本書では思考力が求められる現代において、考えることを習慣化し、
結果を出すためのヒントを解説しております。
考えごとは思考に含まれない
考えごとをしているとき、実はほとんど脳は働いていません。
ある研究によると、考えごとをしているときに脳の前頭前野の血流を測ると、活発でないことが判明しています。
考えごとのほとんどは心配ごとです。何かを思い煩い、
物思いにふけっている状況を「考えている」と誤解している人は意外に多いのです。
考えごとの特徴は同じような思考を繰り返し、一向に発展しないところにあります。
いわゆる堂々めぐりの状態です。
この状態では脳の前頭前野は活性化するどころか、ただ疲弊してしまうだけです。
考えてる人は新しいアイデアを出したり、自分の意見を述べたりするなど、
具体的なアウトプットをしている人を指します。
つまりは、何かを生み出そうとしている行為が考えている行為といえます。
思考中毒になると、生きるのが楽しくなる!
考えることが習慣になっていない人は、
仕事などで「考えろ」と言われているうちにストレスを感じて疲れてしまいます。
一方で、思考習慣を身につけている人は、考えることが楽しいので、課題を乗り越えて成果を出すことができます。
世の中の生きづらさを感じる場面というのは、考えることから逃げるという場面が幾度となくあると思います。
初めから思考中毒になっておくことで、考えることへの受け止め方が変わり、
あらゆる物事にワクワクした気持ちでチャレンジできるようになるということです。
苦難を乗り越え何かを達成したときに、人間の脳内ではβエンドルフィンと呼ばれる快感を得るときに分泌される神経伝達物質があります。
成果を出す為に、数々の制約に直面し、困難を感じることは多々ありますが、そうした障壁を思考の力で突破した時の達成感は何事にも代えがたい代物です。
考えることがたまらなく面白い、考えずにはいられない。
思考中毒になることは人生を楽しみながら成長していく武器になります。
考えて答えが出るかどうかを見極める
ある程度、思考習慣ができたら、思考のクオリティをあげることも意識しましょう。
例えば、同じ問題に1時間も取り組んでいたらとしたらそれは思考をしていないに可能性大です。
最初の数分間は真剣に考えていますが、解決の糸口が掴めず、しだいに集中力が失われ、
実際にはボーッとしながら同じところで堂々めぐりをしているパターンがほとんどです。
思考時間を増やすには「考えるべき問題」と「考えても仕方がない問題」を判別し、
後者については考えないようにしていくことが重要です。
いつまでも答えが出ない、成果につながらないと感じたら、一旦考えることをやめたり、別の角度から考えたりと工夫を凝らす。
これが思考の質を高めるときのポイントです。
負荷をかけると考えるようになる
人間はあえて脳に負荷をかけて考えようとはしない生き物です。
ボーッとした状態で情報を見聞きして、深い思考ができない。
そういうことが無意識になっているうちは何らかの負荷をかける必要があります。
おすすめは、本や話の内容を要約することです。
要約するというのは相手の話を理解し、要点を抜き出し、相手にわかりやすくまとめる。
という一連の流れがあり、脳にとっては非常に負荷がかかります。
更にいうと、それを人前で発表する場があれば緊張感も加わり尚良いです。
常に臨戦態勢でいる
思考する機会を作り、負荷をかけると同時に当事者意識を持つことも忘れてはなりません。
会議などで、意見を求められる際にシーンとなってしまう場面がありますが、理由として責任の分散が挙げられます。
会議で10人の参加者がいれば、責任が10分の1に薄められ当事者意識を持つことができなくなるんです。
「10人いるから自分は考えなくてよい」と他人事にせず「自分の発言を採用させてやる」と
当事者意識を持ち、常に臨戦態勢で取り組む人こそが、思考のクオリティを高めているのです。
終わりに
考えることはしても、考え続けることを意識してしている人は少ないように思います。
考え続けることは疲れますし、楽な方に無意識に行動してしまうのが人間です。
ただ、何かしら成果を上げるときは考えるという行為を通して形にするプロセスは必ず辿ります。
この時にどれだけ日頃から思考習慣があるかによって、アウトプットの質は決まると言っても過言ではないと思います。
思考中毒になってさえしまえば、めんどうな課題をプラスに捉えて次々と問題解決できる人になり、結果的に人生全体がプラスになる。
日々を漠然と過ごしてしまう人には特にオススメの一冊です。
【思考中毒になる!】 齋藤孝 著